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健康診断 骨密度検査 基準値と意味 専門家解説

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健康診断における骨密度検査とは

骨密度検査は、骨の中にカルシウムなどのミネラルがどの程度含まれているかを測定する検査です。骨の強さを示す重要な指標の一つであり、骨粗鬆症の診断や将来的な骨折のリスクを評価するために行われます。一般的な健康診断の必須項目ではありませんが、オプション検査として選択できる場合や、自治体などが実施する特定の検診で受ける機会があります。

骨密度検査の方法と種類

骨密度を測定する方法にはいくつか種類があります。代表的なものとして、以下の方法があります。

健康診断や人間ドックで一般的に行われるのは、これらの方法のいずれかです。どの方法で測定されたかによって、結果の見方や基準値が異なる場合があります。

骨密度検査の基準値と結果の見方

骨密度検査の結果は、「YAM値(Young Adult Mean)」と呼ばれる、最も骨密度が高いとされる若い成人(20〜44歳)の平均値と比較した割合(%)で示されることが一般的です。

ただし、これらの基準値は一般的な目安であり、最終的な診断は医師が他の要因(年齢、性別、既往歴、既存骨折の有無など)を総合的に考慮して行います。検査方法によっても基準値の定義が異なる場合がありますので、検査結果の用紙に記載されている基準値をよく確認し、不明な点は医師に質問することが重要です。

骨密度が低い場合に考えられること

骨密度が基準値よりも低い場合、以下の状態が考えられます。

骨密度の低下は自覚症状がほとんどないため、健康診断で指摘されて初めて気づくというケースが多くあります。

骨密度が低くなる原因とリスク要因

骨密度が低くなる原因は様々ですが、主なリスク要因として以下のものが挙げられます。

これらのリスク要因に複数当てはまる場合、骨密度が低下している可能性が高まります。

骨密度が低いと指摘された場合の次のステップ

骨密度検査で骨密度が低い、あるいは骨減少症や骨粗鬆症の疑いがあると指摘された場合は、必ず医療機関を受診し、より詳しい検査や医師の診察を受けることをお勧めします。

医療機関での精密検査

受診した医療機関では、通常、以下のような精密検査や評価が行われます。

これらの検査結果と問診などを総合的に判断し、骨粗鬆症の診断が確定した場合や、骨折リスクが高いと判断された場合には、治療が開始されます。

日常生活でできる対策

骨密度を維持・向上させるためには、日常生活での取り組みも重要です。

これらの対策は、骨密度が正常範囲内であっても、将来の骨密度低下予防のために有効です。

まとめ

健康診断で行われる骨密度検査は、骨の健康状態を知り、骨粗鬆症や骨折のリスクを早期に発見するための重要な手がかりとなります。基準値からの逸脱があった場合は、単に数値を見るだけでなく、その意味するところを理解し、専門医による精密検査や適切な対策に繋げることが大切です。

検査結果について不明な点や不安な点があれば、必ず医師に相談してください。骨の健康は全身の健康にも繋がりますので、日頃からバランスの取れた食事や適度な運動を心がけ、骨密度の維持に努めましょう。